山登り 〜甲斐駒ヶ岳〜

大きな垂直な岩場のハシゴを登りきると、ようやく山小屋のある七丈小屋に到着。
ここで標高2365メートルのようだ。
豊富な水場があったので休憩したあと補給しておく。

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七丈小屋のすぐ上がテン場になっていて、鳳凰三山を見ながらのテン泊もよさそう。
これで富士山が見えればいいんだけど。
八が岳などはよく見える。
ただもう花の季節は終わったのか、あまり見かけない。





さあ、疲れもあるけどペースを上げていかなければ。
山頂が見えていると登ろうという気持ちが強くなる。
急な岩場の登りよりも日差しが強く暑さとの勝負だ。




以前は八合目に鳥居があったそうだけど、今は崩壊してなくなったそう。
ようやく九合目あたりの鉄剣のある岩を過ぎたので、がんばって登ろう。



それにしてもトレイルランニングの人が多い。
他の山でもたまに見かけるけど、こんなに黒戸屋根がトレランのコースだとは知らなかった。
確かにこの距離は山を走るには適しているのかも。
朝に抜かれた人がもう山頂から折り返して来ているから早過ぎ。しかも何人も。



信仰の山だと実感できる駒ヶ岳神社本社に着くと、山頂はもう目の前。
ただ暑さで足が重いので完全にペースダウン。


山頂の下の標識を見ると、北沢峠の登山口まで下山だと3時間のようだ。
距離の短い北沢峠にすればよかったかと少し頭をよぎった。


ついに甲斐駒ヶ岳の山頂に到着。
とにかく長かった。
360度見渡せる2967メートルの山頂にいることに感動。
山頂にはワラジが取り付けられた祠があった。
その祠の裏に一等三角点がある。




残念ながらガスがかなり出てきているので、景色を楽しむことができなかった。
北岳などの南アルプスがはっきり見えなくて残念。かすかには見えたんだけど。
でも今回は山頂に着いただけで満足だ。
こんなに達成感でいっぱいになるとは思わなかった。
ただ山頂まで7時間半かかったので、あまりゆっくりはできない。

さあ、少しの休憩のあと下山開始だ。
鎖場を慎重に降りながら七丈小屋に戻る。
あとは危険な場所だけ気をつけて急ぐ。
山頂を見るとガスに包まれているが、麓のほうは晴れている。



五合目からはとにかく駆け足状態で下山。
かなり足がつらくなってきたが、明るいうちに下山したい。



急ぐと余計に長い距離を歩いてきたことを実感。
あと少しのところで薄暗くなってきたのでヘッドライドをつける。
そしてやっと6時半過ぎに竹字駒ヶ岳神社に着いたときは暗くなってしまった。

こんなに焦って下山したのは初めてだ。
わかりやすい登山道ならゆっくり歩いたが、複雑な森の中が続くので心配だった。
無事に帰ってこられてホッとした。
完全にこのコースを甘くみていたことを痛感。
もっと涼しいと考えていたのが、夏のような暑さが誤算でペースが落ちた。

とにかく甘いものが飲みたくなって、キャンプ場の自販機でサイダーを飲んだときは生き返るようだった。
着替えたあと、温泉に行きたかったけど気が抜けたせいもあり足が動かない。
しかも足の小指の皮が見事に剥がれていた。爪も内出血しているし。
すぐ消毒薬をつけて絆創膏と包帯を巻いておく。

結局、日帰りで13時間の登山となり完全に疲れた。
きっと一日の登山時間の最高記録だな、これは。
食事をしたあと、ダウン状態ですぐ寝てしまった。

翌朝、起きると歩くのがつらいので、ゆっくり作業する。
まあ、今日は帰るだけなので、のんびりと朝食を取る。
テントを撤収して、10時過ぎにキャンプ場を出発。
帰りに南アルプス釜無温泉「むかわの湯」という温泉に入ると、疲れが少し取れたような気がした。

 

今回の甲斐駒ヶ岳を黒戸屋根で登れたのは自信になった。
ただ時間の計算がうまくいかなかったのが後悔。
つくづく登山は経験だと思った。
余裕を持った計画を立てて、無理はしないようにしよう。
でも苦労して登ってこそ、信仰の山だという気がした。

 

 

 

 

 

 

 



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