早朝5時に起きたが、外はかなり冷え込んでいる。
覚悟を決めてテントから出て、露天風呂に入って目を覚ます。
6時過ぎにキャンプ場を出発すると、笠が岳がはっきりと見える。
こんなに天気がいいと今日は期待できるぞ。
新穂高ロープウェイのしらかば平駅には、キャンプ場から近いだけあってすぐ着いた。
早く着きたいので第一ロープウェイは使わず、第二ロープウェイだけ乗ることにした。
第一と第二を使う往復料金と、第二だけの往復料金が100円しか違わないのが納得いかない。
二輪も有料の駐車場を使うしかないので高くついてしまった。
でも夏の混雑期を除くと普段は8時半から始まるロープウェイだが、10月の紅葉時期の日曜は7時からなので助かる。
これなら余裕で帰りのロープウェイに間に合う。
第二ロープウェイは二階建ての巨大さで120人も乗ることができる。
7時発の便にすぐ乗ることができたのでよかった。
見晴らしのいい展望台まで行く人が多くて混んでいた。
紅葉が進む山々を見ながら、7分間で西穂高口駅に着く。
ここの展望台から存在感ばっちりの笠ヶ岳や前日に登った焼岳、乗鞍岳などもハッキリと見えていた。
これなら西穂高岳に登らなくても満足できる。
そしてこれから登る西穂高岳が目の前だ。
槍が岳もはっきりと見える。
西穂高岳は奥飛騨の新穂高へ行くといつも気になっていた。
この新穂高ロープウェイを使えば日帰り登山もできることがわかったのだ。
1090メートルの新穂高温泉から、一気に2156メートルの西穂高口駅まで行けるのだから。
西穂高口駅で登山届けを出してから出発。
登山道に入ると、しばらくは林の中をたんたんと歩く。
急な岩場の登りになってくると、まわりの草木は霜で白くなっている。
かなり冷え込んだことがわかる。
出発して50分くらいで、気がつくと西穂山荘に着いてしまった。
多くの人が休んでいるので、ここで軽い朝食にすることにした。
目の前がテント場になっており、多くのテントが設営されていた。
さあ、再び歩き出すと、ここからが本格的な登山になるようだ。
大きな岩を乗り越えていくと、雄大な西穂高岳が目に入ってきた。
まわりは霜で白く染まっているので美しい。
西穂山荘を見下ろしてみると、彼方には乗鞍岳がよく見える。
これだけ快晴だと爽快だ。
青い空に霜の白さが印象的。
ずっと笠が岳が目に入ってくるので、この山の存在感はすごい。
岩場の急な登りを歩いていく。
まだ普通の登山といった感じだ。
だんだんと展望が開けてくる。
目の前に見えるのが独標と、たぶん先にあるのがピラミッドピークだろうか。
ここからいくつかのピークを登ったり降りたりを繰り返す。
しかも初冠雪だと思われる少しの雪で慎重になる。
西穂山荘のほうからヘリコプターが飛んできたので何かあったのだろうか。
しかもそのあとも他の北アルプスの山からもヘリの音が聞こえていた。
ようやく独標にやっと登ると、ここからの景色だけでも感動できる。
でも独標から降りるときは少し恐い。
振り返ると独標にたくさんの人がいる。
よくあんなところを越えてきたものだ。
とにかく日陰には雪がかなりあるので、特に岩壁を歩くときは慎重になる。
ここまで緊張感が続くとは思っていなかった。
それにかなりの岩場のアップダウンを繰り返すし。