貯まったマイルを使い特典航空券で沖縄へ行くと、タイミングよく梅雨が明けた。
朝9時過ぎに那覇空港を出ると夏の暑さだ。
うれしいほどの青空。
空港からタクシーを使って泊港(とまりん)へ。
10時出港のフェリーに乗りたいから気分は焦る。
思ったより早く港に着いたので余裕だと思ったら、チケット売り場には行列ができている。
沖縄で梅雨明けの週末。しかも快晴。
みんな考えることは同じみたいだ。
何とかチケットを買えたのが10時5分前でホッとする。
結局、10分遅れでフェリーは出港したので並んでいた人は乗れたみたい。
激混みのフェリーざまみで向かうのは慶良間諸島の阿嘉島。
このフェリーは阿嘉島のあとに座間味島へ向かう。
1時間半の船旅で阿嘉島に近づくときれいな海が広がる。
小さな島だけど立派なフェリー乗り場が目立つ。
ほとんどの人が人気の座間味島へ向かうと思っていたら、阿嘉島で降りる人も多い。
阿嘉島は周囲約11キロの小さな島で集落がひとつしかない。
平地の集落以外は緑あふれる山になる。
その集落の中央あたりにある宿に着いて一休み。
宿で自転車を貸してもらい、島巡りに出ることに。
昔ながらの民家ばかりかと想像していたら、集落は意外と新しい建物が目につく。
どうやらダイビングが盛んな慶良間諸島だが、小さな阿嘉島も同じようだ。
そのため近年はダイビング専用の新しい宿が増えているみたい。
阿嘉島と座間味島は座間味村になる。
だから最初は阿嘉島なのに座間味村なので変な感じだった。
集落にある小中学校は意外と大きくて立派。あとで聞いたら子供は多いようだ。
もちろん離島だから高校はないので、卒業すると本島などへ進学して島を離れる。
商店は三つあり不便もない。
とにかく集落の中は静か。時間が止まっているかのよう。
阿嘉島で一番美しいといわれるニシハマビーチへ向かう。
地図にある道でニシハマへ行こうとすると急な坂を越えるらしい。
自転車だと大変だから地元の人しか知らないルートを宿で教えてもらった。
ちょっと遠回りになるけど海を見ながら平坦な道なので楽だ。
するときれいな海が目に入ってきた。
離島ならではの鮮やかな色だ。
ビーチへ降りる途中にあるウッドデッキに違和感。でも便利かもしれない。
それにビーチにはやたらパラソルが並んでいてリゾートのようだ。
これには違和感だらけ。この小さな離島でパラソルねえ。
しかしニシハマには東屋などの日陰にある場所がないから仕方ないかも。
さあ、海に入ろう。
持ってきていたシュノーケルセットをつけて海の中へ。
なんて透明度の高い海だろう。
浅瀬のほうは珊瑚がたくさん死んでいるが、沖のほうまで行けば珊瑚もある。
たくさんの魚たちと泳いでいると時間の過ぎるのが早い。
クマノミもいてかわいい。
沖縄のきれいな海に入ると健康になる気がする。
シュノーケルを楽しんだあとはビーチで海を見ながらのんびり。
展望台があったので上ってみるとニシハマを見渡せてきれいだ。
すぐ目の前には座間味島や渡嘉敷島、いくつかの無人島が並ぶ。
ニシハマというビーチは八重山の波照間島にもある。
沖縄では一番きれいな海だと思う。
同じ名前のビーチがこの島にもあったので来てみたくなったのだ。
また集落へ戻ろうと港のほうへ。
フェリー乗り場の前には犬の像があった。
見たことはないけど「マリリンに会いたい」という映画があった。
その主役のシロという犬が阿嘉島に住んでいた。
マリリンという犬に会うために座間味島まで泳いでいく話とのこと。
座間味島は目の前だけど、泳ぐには距離があり潮の流れがあり大変だと思う。
阿嘉島はすぐ隣の小さな慶留間島、外地島と橋でつながっている。
なので橋を渡って行ってみることに。
まず立派な阿嘉大橋の下のきれいな海を見ながら、慶留間島に入ると目の前に小さな鹿が現れた。
お〜、天然記念物になっているケラマ鹿だ。
森にいて見ることができないと思っていた。
あまりに小さな鹿でかわいい。屋久島の屋久鹿くらいだろうか。
阿嘉島も慶留間島も集落以外はほとんどが森なので生きていけるのだろう。
マンホールもケラマ鹿だった。
海に面した立派な道路をとにかく行くと奥に小さな集落があった。
慶留間島はほんの一部に集落があるだけ。
橋ができる前は本当の孤島だったのだろう。
集落には国の重要文化財に指定されている高良家があり、伝統的な古き沖縄の民家を見ることができた。
小さな慶留間島だが、ちゃんと小中学校もある。
そして慶留間島から慶留間大橋を渡って外地島へ。
長い登り坂を自転車を押して行くと慶良間空港がある。
思っていた以上に立派な空港で驚いた。
今は定期便がなくなり、チャーター便専用なので静かだ。
外地島には空港しかないので、慶良間空港のための島といった感じ。
これ以上は進めないので、また阿嘉島に戻ることにした。
それにしても夏の日差しが強烈で暑い。
あっという間に腕が日焼けしていく。
宿に帰ってシャワーを浴びてサッパリしよう。
泊まる宿は田舎に帰ってきたかのような民家で落ち着ける。
二階の広いバルコニーにはテーブルとイスがあり缶のオリオンで喉を潤す。
ここから集落の前にある前浜(メーヌハマ)を見ながらのんびり。
さわやかな潮風が気持ちいい。
この日に泊まっていたのは4人だった。
宿のオバァの家庭的な料理がおいしい。
オバァの島の話も楽しい。
夕日を見に行こうと思っていたのに話し込んでしまい外は暗くなっていた。
食後はバルコニーで泡盛を飲みながら、宿の息子さんも一緒に話が進む。
星を見る秘密のスポットへ車で連れて行ってくれることになった。
そこは本当に真っ暗で満天の星がよく見える。
蛍を見ることもできるということだったが、これは残念ながら見られなかった。
宿に帰ったら一日の終わり。