冬の島時間
粟国島 / 本島南部

photo


・粟国島1

2006年が終わる頃、沖縄の離島へ行くことにした。
早朝の便で羽田空港から那覇空港に着くと、急いでRAC(琉球エアコミューター)へ乗り継ぎ。
今回行く粟国島へはRACの小さな飛行機が出ているので乗ってみたかったのだ。
パイロットを含め10人乗りのプロペラ機は、機体のバランスを取るため乗客の重量で座席が決まる。


photo
photo

機内は本当に狭くて中の席に座るには、乗用車みたいに座席を倒して乗り込む。
この日の乗客は8人だったが、満席の9人になるとパイロットの隣の助手席になるらしい。
車でいう助手席だが立派な副操縦席なので、ここに座れたら興奮するだろう。

ここまで小さな飛行機に乗るのは初めてなので離陸するときはドキドキもの。
普通乗用車が空を飛んでいる感じだ。プロペラがすぐ隣にあるので音も大きい。
低空飛行なので途中の島々や海がよく見える。
なんといっても目の前がパイロットなので操縦がよくわかる。


photo

RACのこの大きさの小型飛行機は粟国島と波照間島にしか出ていない。
波照間島で見たときに、いつか乗ってみたいと思ったのだ。
那覇空港から粟国島には約25分で着いたが、貴重な飛行機体験だった。
粟国空港は小さな飛行場で建物も小さい。


photo
photo


港のそばの宿で一休みしたら、自転車で島を巡ってみることに。
粟国島は那覇の北西約60キロに位置する周囲約12キロの小さな島。
カーフェリーだと約2時間かかる。

この島は「ナビィの恋」という映画のロケ地でもある。
昔ながらの素朴な沖縄の風景がそのまま映し出されていた島に、いつか訪れてみたいと考えていた。
なにしろ観光地化されている島ではないので、見るところは限られてしまう。
自転車でまわると坂もあるので少し大変だけど、この時期は涼しくて助かる。

photo

この島では急ぐことはない。
ゆっくりとした島時間に身をゆだねればいい。

西に位置する筆ん崎は島で一番標高があるので風が強い。
マハナ展望台から海を見渡す。久米島などの島が見える。
海抜87メートルの筆ん崎は断崖なので、島でもっとも荒々しいところかもしれない。


photo

島の南側の細い道を下っていくと海岸に出られる。
そこから海岸沿いに歩くと、筆ん崎の真下まで行くことができた。
ただでさえ人に出会わない島なので、ここまで来る物好きも少ないかも。
戻るときは急な坂を登るので大変だ。


photo


近くの海岸には特徴的な岩場のヤマトゥガーがあり神秘的な雰囲気。
水が乏しい島だったので、ここの地下水を貯蓄タンクに貯めていたらしい。
洞穴にはモーター機械のある簡易水道施設跡が残っている。
ヤマトゥガーへは標識も何も出ていないので、それらしい道を進んで行くしかないので注意。

photo

photo


ナビィの恋で牧場だった草原。
なにもない。空と海が広がるだけ。
ただ風に吹かれていると島に来たんだと実感する。


photo



photo


島の東側にはウーグの浜(長浜ビーチ)が広がる。
夏は海水浴やシュノーケルが楽しめそう。
きれいな海はウミガメも来るという。
そしてこの浜辺にはモンパの木の群落が続く。


photo

photo


のんびりとした時間の中で穏やかになっていく自分がいる。

photo

沖縄旅々模様TOP