前に西穂の山頂に来たときは、ここから奥穂へ行く人がすごいなあと感じたっけ。
まさか自分が見送られる番になるとは。
まだまだ奥穂は遠い。
覚悟を決めて下っていくと、岩場のアップダウンが続くので慎重にクリアする。
振り返って西穂を見ると山頂にたくさんの人が見える。
ここから見ると思ったよりとがった山なんだな。
険しい岩場が続く。
せっかく岩場を下っても、また登りが待っている。
それにしても登ったり下ったりが続くので疲れが蓄積されていく。
テントの重みが効いてくる。
奥穂が遠いなあ。
いくつピークを越えるんだろう。
気がつくと間ノ岳に着いていた。
天気がいいので暑さもこたえる。
これが天狗の頭だろうか。
ペースが落ちているので、がんばらなくては。
とにかく落石しないように慎重に登る。
本当に危ないところだけ鎖があった。
どうやらこれが逆層スラブの鎖みたいだった。
ここは下りに使いたくないかな。
また振り返ると、よくあんなところと歩いてきたと実感。
途中でこんな注意書きがあった。
キケン!この先、クサリは使えません。支点が抜けてます…
ようやく天狗の頭に着いて小休憩。
看板がはずれているので最初は気づかなかった。
まだまだジャンダルムは遠い。
天狗の頭から見た笠ヶ岳。
近いぞ、槍。
天狗のコルまで注意して下って一息つくと、ずっと顔を合わせる人たちがいて話しこむ。
ひとりはテントを背負っているので同じようなペースだった。
こういうとき話し相手がいると気分が楽になる。
西穂から来る人はほとんどが小屋泊まりのようで身軽だったから余計にね。
ここまで西穂山頂から3時間もかかっている。
西穂山荘からだと6時間半なので予定よりペースが悪い。
テントの重さもあるけど、この暑さがこたえる。
残りの水も少ないので心配になってきた。
まだまだ気が抜けない岩場が続く。