
南大東島から北大東島へ移動するには、フェリーだいとうか飛行機しかない。
フェリーが来るのはまだ先の日なので、飛行機を使うことにした。
しかも今日の便に乗らなければ、明日からは北から南と逆のルートになってしまう。
もう1日くらい南大東島にいてもいいかなと思っていたが仕方ない。
プロペラ機のRAC(琉球エアーコミューター)に乗るのは久しぶりだなあ。
南大東空港を離陸すると、客室乗務員のアナウンスで伝えられる。
「北大東空港までの飛行時間は3分です」
話には聞いていたが、あまりに短くて笑ってしまう。
外を見ていると車輪を収納したと思ったら、すぐ出してしまった。
これじゃ車輪をしまう意味があるのかいな。
ということで、あっという間に北大東島に着いたのでした。
那覇から大東島まで15時間の船旅より、3分間の航空運賃のほうが高いというのは複雑だ。
迎えに来ていてくれた車で宿に着くと、時間も遅かったので北大東島の初日は夕飯を食べて終了。
北大東には宿が二件しかないので、安いほうの民宿にしたら泊まっている人は仕事関係者ばかりだった。
那覇から電話回線の修理で来ていた人は、会社の経費なので飛行機を使うと言っていた。
フェリーには二度と乗りたくないらしい。気持ちはわかるなあ。
なんでも年末になると出稼ぎの人が集中するから、飛行機や船のチケットが取れなくて大変みたい。
翌朝、近くにある高台から朝日を見た。
天気がよくなりそうだ。
宿で自転車を借りて、島を一周することにした。
まずは宿の近くにある西港へ行ってみる。
港が高い位置にあるので、海をのぞき込むと怖い。
南大東島は製糖業が盛んだったが、北大東島は燐鉱業が主だった。
そのため当時の痕跡がたくさん残っている。
西港の近くにある廃墟だけが時間を止めているかのよう。
燐鉱石貯蔵庫跡を見ると大きな施設だったとわかる。
八丈島からの開拓団から始まった島だけど、沖縄全体からたくさんの鉱山労働者が出稼ぎに来ていたようだ。
そのため独自の文化になったのも理解できる。
廃墟好きの人には、たまらない場所だろうね。
海沿いを見て行くと、たくさんの釣りをしている人がいる。
すぐ深い海のため船で沖に出なくても大物が釣れるらしい。
そういえば宿の食堂にも大きな魚拓が飾られていた。
西港の高台には広い西地区緑地公園があり、見晴らしもよくて何度も来てしまった。
まだ新しいようで、こんなに整備されているとキャンプでもしたくなりそう。
この公園内には国内で唯一の国標が建てられている。
明治時代に大東島が日本の領土である事を示すためだったようだ。
ずっと無人島だったので、明確にしておきたかったのか。
海沿いを反時計まわりで行くと上陸公園があった。
奥には立派な開拓百周年記念碑が建てられていた。
公園の下へ行くと初めて上陸したといわれる海岸がある。
ここから開拓団が上陸して、島の歴史が始まった。
波が打ちつけると怖いけど、とてもきれいな海だ。
正面には南大東島がよく見える。
このあと南側にある江崎港に寄ってみるが荒れていて見るだけにした。
そしてぐるっと東側の北大東空港のほうまで来てしまった。
自転車だと時間がかからないので小さな島だと実感できる。
空港の外側の細い道が離島らしくていい感じ。
ついに北大東島の東側にある沖縄の最東端記念碑に着いた。
あまりに立派な記念碑に少しビックリ。
どうしても与那国の最西端や波照間の最南端の碑が有名だけど、この最果て感は北大東島がほうが強いかもしれない。
知名度は低いと思うけど、来ることができて達成感いっぱいでうれしい。
ちなみに本当の沖縄最東端はすぐ先の真黒岬だが、断崖絶壁のため歩いて行けないそうだ。
最東端記念碑の周辺はきれいな公園のようになっていて、東屋もありいい休憩スペースになっていた。
その真下には沖縄海と名づけられた人工プールがある。
南大東島にもあったが、やはり北大東にもあるんだね。
それにしても沖縄海だなんて。
沖縄の海のビーチのようだという気持ちもわかるけど。
でも南大東にはなかった砂浜がここにはあった。小さいけど。
満潮になると波が荒くて近寄るのは怖かったけどね。
きれいなビーチ、いや人工の沖縄海だけど、とてもきれい。
暑かったら泳ぎたいくらい。
沖縄最東端から戻って、空港のほうへ行くと秋葉神社があった。
とても小さな神社だったけど、赤い鳥居が印象的。
隣の小さな山には天狗岩なるものがあった。
そして北大東空港に戻ってきた。
小さな空港だけど、まだ新しくてきれい。
空港には子供たちがいたので何だろうと聞いてみた。
この4月から小学校に赴任してくる新しい先生を迎えに来たようだ。
思わず微笑ましくなった瞬間。
離島の子供たちはかわいいね。
北部にある北港にも行ってみたが、荒れているし何もなかったのでも見るだけ。
南大東では見かけなかったけど、北大東では飼われているヤギがたくさんいた。
ヤギがいるとそれだけで沖縄らしく感じる。
集落の近くに戻ってくると高台にある灯台が目印。
こういう平坦な島だと、一番高い場所に灯台があるんだよね。
そのため海から離れた場所になったりする。
一度、宿に戻って休憩。
日差しも強かったので疲れてしまった。
なんだか一気に日焼けしたみたい。
この時期の紫外線を完全に舐めていた。
また西港へ行くと夕日がきれいに沈んでいった。
北大東島はとてもゆっくりと時間が流れる島だった。