悪石島から諏訪之瀬島は1時間くらいで見えてきた。
トカラ列島では二番目に大きい火山の島だった。
フェリーの接岸する切石港は小さく感じた。
島に上陸したあとフェリーを見送ってから出発。
諏訪之瀬島はほとんどが山と緑に覆われて人の住む集落はほんの一部だけだった。
まず役場に行ってみると小さな建物なので、それだけ集落の規模が分かるような気がした。
ここでキャンプ場の申込みをしながら島のことも聞いておく。
登山する場合は登山届けを出すことが必要だった。
なにしろこの島の御岳に登るために来たようなものだ。
キャンプ場は立派な施設で驚いた。
一泊300円だったけど、炊事場やトイレはきれいだしシャワーもあった。
これから登る御岳がよく見える場所にテントを設営することに。
それから驚いたのはチェコから来ていた男女4人がキャンプしていた。
話を聞くと九州で登山したあと諏訪之瀬島に来たらしい。
もう御岳に登ったらしく、キャンプ場でくつろいでいた。
日本人でも知らない人が多いトカラなのに海外から山を登るために来たなんて凄い。
このあとは薩摩硫黄島に行くというから、なんだかうれしくなった。
さて島巡りをしようとまず空港の跡地へ。
ここはリゾート開発の目的で飛行場が作られたが中止されたようだった。
せっかくWで来ているので走りを楽しんでしまった。
切石港の奥まで行くと乙姫の洞窟があった。
トカラ列島の島々に伝わる乙姫の伝説があるようだ。
洞窟の中から海を見たけど、もっと晴れていればきれいだったろうな。
港から少し集落のほうへ行くと、なは浜という海岸まで歩いて行けるようだった。
なは浜は岩がごろごろした海岸で少し期待はずれ。
この島も牧場があり牛が飼われていた。
細い舗装林道を上がって行き止まりにあるナベダオ桜へ。
でももう桜の季節でないので見るだけ。
諏訪之瀬島を開拓した藤井富伝の墓や八幡神社を見たりして再び集落へ。
小さな集落なのでオートバイだとあっという間だった。
なにしろ大部分が山や自然なので、島を一周することができないのだ。
今回のトカラの島で一番走行距離が少なかった。
小中学校へ来てみると、この島では平島の分校ということだった。
なんと集落にはコインランドリーがあった。
500円と高かったけど、洗濯ものがたまっていたので使ってしまった。
キャンプ場の炊事場で手洗いするのが面倒になってきたんだよね。
でもあまり使われている雰囲気がしなかったなあ。
しかし島には商店がないのに、なぜコインランドリーがあるんだろう。
集落で会った島の人たちは気さくでいろいろ話し込んだ。
諏訪之瀬島はトカラの島の中でも、移住してきた人が多いので特に壁がないような気がした。
そのせいか旅人に優しかったなあ。
東京から移住してきた年配の人は完全に島の人しか見えなかった。
島巡りもすぐ終わってしまったので、あとはキャンプ場でまったり。
フェリーでビールも多めに買っておいたので、御岳を見ながら島に乾杯。
のんびりとWを眺めながら静かに流れる島の時間を楽しんだ。
それにしても竹だらけの諏訪之瀬島。
琉球寒山竹という細い竹で、トカラの他の島にもたくさん生えている。
なのでタケノコが島の名産になっていて、食べてみるとおいしかった。