フェリーとしまで北上して宝島から2時間で悪石島が見えてきた。
海上から見ると山の島という印象だ。
見た目のとおり、宝島と小宝島は珊瑚が隆起した島だけど、悪石島から口之島までは火山島なのだ。
悪石島は宝島と同じく来てみたかった島だった。
なんといっても一度聞いたら忘れることのできない島名だ。
やすら浜港を見ると幅が狭いので小さな島だということが実感できた。
悪石島に上陸してキャンプ場へ向かうことに。
港を振り返るとフェリーとしま。
キャンプ場は集落とは反対側だがオートバイなら近かった。
海外沿いの行き止まりに広場があり、そこがキャンプ場だった。
ただ実際は湯泊温泉公園となっていて、島の公認になっている無料キャンプ場といったところ。
広い芝生なのでキャンプするには気持ちいい。
公園の奥には屋根付きの砂蒸し風呂があるので楽しめそう。
まわりの岩肌からは噴煙が上がり硫黄臭が漂っている。
ピンク色のマルバツツジが鮮やか。
さて、テントを設営して落ち着いたので島巡りへと出発。
やすら浜港に戻って可愛いボゼの看板を見ることに。
悪石島には旧暦の7月に行われるボゼ祭りがある。
ここは仮面神ボゼに象徴される神々の島なのだ。
仮面をかぶった祭りはここが日本だろうかという気持ちにさせる。
今回は見ることができないのが残念。
ボゼの見本は中之島の歴史民族資料館に展示されている。
もしかするとトカラを象徴する仮面神かもしれない。
仮面は新聞紙に赤土を塗って作るそうだ。
港から見える御岳の山が印象的。
さあ、神々の訪れる島を巡ってみよう。
まず集落のほうへ行こうとすると山の中へ入っていく感じ。
途中で海を見ると港がきれい。
途中には対馬丸慰霊碑があった。
鹿児島へ向かう疎開船の対馬丸が悪石島沖でアメリカ軍の潜水艦によって撃沈されたそうだ。
沖縄の子供たち700人と一般客1000人のうち生存者はわずか227人。
悲しい歴史の惨事が眠っていることを知った。
港から集落はかなり離れていて標高もあるので歩いて向かうのは大変そうだ。
それだけ断崖絶壁に囲まれた山の島だと実感できた。
役場も集落にあるのでフェリーのチケットもここまで来て買うしかない。
役場の隣にあった「美女とネズミと神々の島」という書籍の記念碑。
悪石島はボゼの他に古い日本の文化が残っている島だった。
集落から島の東部へ行ってみることにした。
牧場地帯に入るので柵を開けたら閉じるようになっている。
トカラは島ごとに牧場があり、牛は鹿児島市内に出荷されるそうだ。
島の東部のノンゼ岬にある白い灯台が印象的。
諏訪之瀬島がよく見えた。
海岸まで向かおうと牧場内の道路をまっすぐ行くと行き止まりだった。
海岸沿いまで下るには少し戻って、途中の柵から入り歩くしかないようだ。
南国らしい緑の草原地帯は歩いて気持ちよかった。
この草原はものすごい数のトカラヤギがいてビックリ。
これだけ食料の草があれば増える一方だろうね。
離島の飼われているヤギとは風格が違うかも。