さあ、読売新道を歩こう。
正面にはゴールの黒部湖が見える。
横を見ると野口五郎岳などの裏銀座の山々がはっきり見える。
読売新道は赤牛岳の山頂の8/8から下っていく。
7/8を過ぎたあたりで振り返り、赤牛の勇姿を見ておく。
あの赤牛の稜線を歩いてきたんだよなあ。
空は眠そうだけど気持ちよく黒部を目差す。
まだこのあたりは読売の稜線を楽しむ余裕がある。
チングルマは花も果穂も楽しめる。
4/8あたりから長い長い樹林帯へ入っていく。
樹林帯になってからは木の根っこだらけの急な下り。
これがどこまでも続くかのよう。
急に雨が降ったかと思うと、晴れ間が出たりとコロコロ変わる天気。
濡れた木の根が滑りやすいので慎重に下る。
まるでジャングルの中を下っているかのようだ。
無理な場所にはロープやハシゴもある。
よくこんなところに登山道を通したものだ。
気が遠くなりそうな下りが続き、ようやく1/8だ。
もう川の流れる音が聞こえるので、かなり下ったことになる。
この日、下から登ってきたのは3人だけだった。
しかも暗い3時に奥黒部ヒュッテを出発した人もいた。
コースタイムでは下りでは5時間。
登りだと赤牛岳の山頂へは7時間になっている。
下りでもきついのに、登りだとどうなることやら。
小屋泊まりならいいけど、テントを背負うとやはりビバーク覚悟だろうか。
しかし1/8からまだまだ下るので気力で歩く。
ということで午後2時に奥黒部ヒュッテに到着。
ここが標高約1500メートルなので、赤牛岳の山頂から一気に1400メートル近くを下ったことになるのか。
テントを設営する前にすぐ缶ビールで乾杯。
テントを設営して濡れているものを乾かすことに。
しかし夕方から雨が降り出して、この日も湿っぽいテン泊。
でも読売新道を歩き終わった達成感でビールが進んだ。