明るくなってきた朝の5時に天人峡の登山口から出発。
登山届けのノートを見ると、ここから出発する人は少ないなあ。
ここ最近は1日に1人いればいいほうだ。
どうやら天人峡は縦走して降りてくる人が多いようで、ここから登る人は少ないみたい。
昨日、滝見台まで登っているけど、しばらくは樹林帯の中を歩いていく。
少しずつ標高が上がっていくだけで、先を見ても山は見えず遠いことを感じる。
2時間半くらいでようやく樹林帯を抜けたみたいで、木道のある湿原地帯に出た。
どうやら第一公園と呼ばれる場所のよう。
気持ちよく歩けるのもすぐ終わる。
整備されているのは第一公園の湿原地だけのようだった。
なにしろこのコースはポイント的な場所がないので、気分のメリハリが付けにくい。
朽ち果てたような小さな標識を見ると、だいたい半分近くまで来たのかな。
生い茂った笹藪の登山道の途中で振り返ると、旭岳がきれいに見えていた。
するとドロドロの水たまりが続く悪路が待っていた。
なんとか端っこを歩いたり、岩の上に飛び移ったりしたけど靴はドロドロ。
しかも笹の藪漕ぎする場所もあり大変な登山道。
我慢の歩きもどうやら森林限界に達したような場所に出た。
するとチングルマの花畑が広がり、横には大雪山の山々がよく見えて最高の気分。
左側の旭岳から黒岳まで歩いたんだよなあ。
満開の花と果穂になったチングルマ。
ここらあたりはエゾコザクラもたくさん咲いていてきれい。
するとついにトムラウシ山が見えてきて気分が高まる。
悪路も終わって歩きやすい尾根が続く。
まず化雲岳を登っていく。
なだらかな尾根なので山という感じがしない。
雪渓にいたキタキツネと目が合った。
途中にはコマクサがたくさん咲いている。
大雪山が見える化雲岳に着いてようやくホッとした。
すでにここまで6時間半かかっている。
このコースですれ違った登山者は4、5人だったので少ない。
しかも他から縦走して下山で天人峡へ向かうようだった。
化雲岳から大雪山の旭岳などと見ておく。
先日はあちらから見ていたと思うと感慨深い。
昼食休憩してから、あのトムラウシを目差そう。
木道があるので歩きやすい。
途中で今夜泊まるヒサゴ沼避難小屋との分岐になる。
ここはそのままトムラウシへ。
とうとう迫力あるトムラウシ山の目の前まで来た。
トムラウシ山の登山口ともいえる分岐でザックを置いて、身軽になって本当の登山開始。
登り始めて下を見るとヒサゴ沼にある避難小屋とテン場が見えた。
今日はトムラウシを下山したあと、あそこまで行かなくてはならないのでゆっくりはできない。
日本庭園と呼ばれる花のきれいな場所もあった。
このコースは登ったり下ったりが続くので疲れが蓄積されていく感じ。
でも変化があって飽きないけど。
そしてゴロゴロと大きな岩の上をずっと歩くので油断ができない。
これがイヤというほど続くんだよね。
それにしても岩場にはナキウサギがたくさんいてビックリ。
あちこちで顔を出して鳴いているので、なんだか当たり前の光景に感じてきた。
近いようでまだまだ遠い山頂。
どうやら山頂真下の北沼に着いたようだ。
ここから最後の登りになる。
山頂あたりも岩場が続く。
ついにトムラウシの山頂に着いた。
標高2141メートルあるけど、残念ながらガスが上がってきて眺望はなかった。
でも晴れ間もあるのでうれしい。
分岐の登山口から2時間半かかった。
もう天人峡から10時間近く歩いていることになる。
それだけに達成感いっぱいで三角点にタッチ。
山頂には誰もいなかったので、まったりしているとトムラウシ温泉側から数人登ってきた。
大雪山方面は見えなくなったけど、それでもトムラウシ温泉や十勝方面は見えた。
すぐ下の南沼のテン場もよく見える。
あとから南沼のテン場の人たちがたくさん登ってきたので、ここらあたりで下山開始。
晴れ間もあったので40分くらい山頂を楽しんだ。