昨年に北アルプスの表銀座を縦走してから、次は裏へ行こうと計画していた。
だが裏銀座のルートは距離が長くなるので日程調整して準備した。
裏銀座で登りたい山は鷲羽岳や水晶岳などで、できれば雲ノ平にも寄りたかった。
ここまでの長い距離をテントを背負って歩くのは初めて。
ただ期間が長くなると食料も多くなるので、今までで最高の重量になるザックだけが不安だった。
単に縦走といっても完全に山奥を巡る旅という感覚に近い。
今回は登山口と下山口が違う縦走なので、鉄道か高速バスを使うことに決めた。
なんとか深夜高速バスを予約できたので、新宿から信濃大町駅へ向かうことにした。
やはり夏場は登山する人が多いのでバスはほぼ満員だった。
でも高速バスはサービスエリアで休憩したりするので、なかなか寝ることができなかった。
結局、熟睡できないままで早朝4時過ぎに信濃大町駅に到着。
ここでバスを降りたのは自分だけで、ほとんどの人は扇沢などへ行くようだった。
駅前のタクシー乗り場で高瀬ダムのことを聞くと、他に予約している人がいたのでホッとする。
なにしろ高瀬ダムへのタクシー料金は8000円かかるので相乗りできると助かる。
まだ鉄道は動いていないし、バスは誰も降りなかったので不安だったのだ。
5時に信濃大町を出発して、七倉ダムの入り口で登山届けを出すようになっていた。
これはタクシーを運転した親父さんが教えてくれて、車内で登山届けを書いた。
そして1時間もかからないで高瀬ダムに着く。
初めてだと思い込んでいたけど、昔にツーリングで高瀬ダムに来たことを思い出した。
なのでマイカー禁止期間が終わった11月頃だったのかな。
確か紅葉の時期で葛温泉にも入った記憶があるんだよね。
ちなみに七倉ダムまではマイカーで来ることができるので、ここからタクシーを使う人も多かった。
タクシーを相乗りした二人の女性は烏帽子小屋で一泊して戻ってくるそうだ。
烏帽子岳って人気あるんだなあと初めて知った。
さあ、準備をして高瀬ダムを出発だ。
高瀬ダムの長いトンネルと抜けると吊り橋を渡る。
すぐキャンプ場があるので、ここで前泊するのもありかも。
だんだんと天気もよくなってきて期待できそうだ。
少し歩いていくと裏銀座の登山口になる。
登山口の近くには唯一の水場があったけど、沸騰が必要なので不安だった。
そのため念のために2リットルの水を持ってきたのだ。
だから余計にザックが重くなり、出発前に計ってみたら22キロあった。
覚悟を決めて長い裏銀座の始まりだ。
まず階段があったりして登山道は整備されていて登りやすい。
ブナ立尾根は北アルプス3大急登となっているけど、身軽なら問題ないだろうなあ。
さすがにザックの重さが効いてきて、だんだんとペースが落ちてくる。
あとから登ってくる身軽な人に抜かれることが多くなってきた。
やっと樹林帯を抜けたと思ったら、いきなり烏帽子小屋が見えたきた。
それでも高瀬ダムから6時間ちょっとかかって疲れた。
暑さとザックの重さがこたえて汗だらけ。
小屋でテントの申込みをしたあと三ツ矢サイダーで元気を取り戻す。
目の前には赤牛岳が見える。
テント場は小屋から少し下ったところにあった。
奥に見える三ツ岳を越えて裏銀座の縦走路となる。
ちょっと奥の三ツ岳が見えるサイトにテントを設営。
混んでいたら下の小さな池の前に張ってもよかったかな。
休憩して落ち着いたら烏帽子岳を登りに行こう。