翌日からついに裏銀座のスタート。
しかし天気が怪しくて心配だ。
なにしろ今日は長い距離を歩かなければいけないのだ。
テントを撤収して朝の5時半に烏帽子小屋のテント場を出発。
高瀬ダムを見ながら三ッ岳を登る。
三ツ岳を越えたあたりからガスが出てきて雨も降り出してきた。
カッパを着て野口五郎岳を目差す。
途中にはイルカの顔みたいな花崗岩。
なんだか燕岳のイルカ岩にそっくりなので、きっと似たような岩が多いのかも。
せっかくの稜線も何も見えなくなり野口五郎小屋に着いて一休み。
かなり寒くて先行き不安になってくる。
また歩き出して野口五郎岳の山頂に気づかず通り過ぎる始末。
どうやら知らないで巻き道を歩いていたようだ。
これだけガスが濃いと道を間違えるのが恐い。
戻るのも面倒なので先へ進むことにした。
きっと野口五郎とは縁がなかったのかな。
景色は楽しめないけどチングルマの花畑を見ることが救い。
竹村新道との分岐を過ぎて東沢乗越あたりで雨も上がってきた。
ここからは水晶小屋への登りになるみたい。
やっと水晶小屋に着いて一安心して昼食休憩。
ここまで雨とザックの重さでペースが上がらず7時間もかかっている。
なんと急に晴れ間も出てきてホッとする。
これだから山の天気は分からない。
今のうちに身軽で水晶岳を登ることにした。
岩場を登っていくと心配なガスがまた上がってきた。
やっぱり水晶岳の山頂はガスの中だった。
それでも少しは2986メートルの山頂には日射しがあったのでマシかな。
水晶小屋に戻る途中でまた晴れ間になってきた。
まあ、こんなものだね。
これから向かう鷲羽岳も見えてうれしい。
しかし槍の山頂は雲に隠れていて残念。
水晶小屋の向こうには裏銀座の稜線を見ることができてよかった。
ガスで何も見えなかった野口五郎岳も確認できた。