また重いザックを背負って水晶小屋を出発。
時間が心配なので鷲羽岳は後回しにしてワリモ北分岐から巻き道を使うことにした。
見上げると先ほどまで水晶岳の山頂が見えてきた。
今、山頂に登っていたらよかったのに。
岩苔乗越で雲ノ平へ向かう叔父岳との分岐。
ここから三俣へは急な下りが続く。
沢沿いで気持ちいいんだけど、疲れた体にはこたえる。
途中で雪渓を渡ったり。
ようやく黒部源流の分岐まで下ってきた。
今度は登りになるので、これなら鷲羽岳を越えたほうがよかったのだろうか。
ごろごろした石が続く登山道を登りきると三俣山荘とテント場に着いた。
すると雨が降り出してきて急いで山荘でテントの申込みをする。
もう山荘に泊まろうかとも考えたけど、混んでいるようで一つの布団で二人の使用らしい。
それより烏帽子から三俣まで実に12時間かかり体がボロボロ。
雨の中のテント設営で心も体もビショビショ。
山荘なら濡れたものを乾かすことができるけど、テントの中はかなり湿っぽくて悲しくなる。
だんだんと雨も激しくなり、食事とビールを飲んで寝るしかなかった。
しかしテントを背負ってよく歩いた日だった。
翌日はずっと強い雨が降っていて行動することをあきらめた。
まだ日程に余裕があるので、この日は三俣山荘のテント場で過ごすことにした。
といってもずっと雨のためテントの中で完全な休息日として割り切ることに。
でも三俣は水が豊富なことだけが助かる。
その翌朝もまだ雨が降っていてテントを撤収するタイミングを考えていた。
さすがにこれ以上の連泊はできない。
ようやく朝の8時くらいに雨が上がったので、やっとテントを撤収できた。
今日は三俣から鷲羽岳を登ろうかとも迷ったけど、雲ノ平へ行くことに決めた。
どうしても槍を見ながらワリモ北分岐から鷲羽岳を登りたかったのだ。
雨が上がってガスが取れるとテン場は鷲羽岳が正面に見えて最高の場所だった。
雨が上がった三俣山荘からは槍ヶ岳がはっきり見えてうれしくなる。
やっと裏銀座を歩いているんだと心から思えてきた。